明子さんのピアノ
このピアノは、1926年 アメリカBaldwin社で製造されました。
ロサンゼルスで生まれた少女 河本明子さんが愛用していました。
1933年(昭和8年)河本源吉・シヅ子さん夫妻と共に広島に移り住みました。
1945年(昭和20年)8月6日 原爆投下。学徒動員での作業中に明子さんは被爆し、翌7日夕方19歳の生涯を閉じました。病名は「急性放射能障害」でした。
ピアノも爆風により、多くのガラス破片で傷つきました。
2005年(平成17年)8月、調律師 坂井原浩氏によって困難な修復作業によって音色を甦らせました。8月3日 被爆60周年祈念「被爆ピアノ・チャリティーコンサート」が開催されました。
以来 「明子さんのピアノ」は、あの日の出来事を現在へ伝える貴重な「被爆遺品」として、平和の調べを奏でています。
2015年8月7日 マルタ・アルゲリッチが試奏。
2017年2月15日 シャルル・リシャール=アムランが献奏。その平和への調べは、4月16日にNHK国際放送局から、世界へ発信されました。
2017年8月4日 ピーター・ゼルキンが献奏。45分にも及ぶ演奏は録音され、後日CDとなりました。
2018年2月17日 ベンジャミン・フリスがピアノリサイタルにて「明子さんのピアノ」で演奏。
2018年3月3日 アルゲリッチとゼルキンのチャリティーCDを同時発売。
2019年 広島(8月6日)と長崎(8月9日)にて、ピースボート船上コンサートを開催。
広島では、被爆ヴァイオリン(パルチコフさんのヴァイオリン)を弾く成田 達輝とピアノ萩原 麻未が共演。
牛田中学校PC放送部による作品「ショパンを愛したピアノ」
一般社団法人「HOPEプロジェクト」は、被爆したアメリカ製(Baldwin社製造エリントン)のピアノを、明子さんのご遺族から譲り受け、保管しています。