Great Artists
Martha Argerich
マルタ・アルゲリッチ
アルゼンチン出身で、現在、世界のクラシック音楽界で最も高い評価を受けているピアニストの一人。1965年にワルシャワで開かれたショパン国際コンクールで優勝を飾る。以後、ヨーロッパ、日本、アメリカでも最も名高いオーケストラや指揮者たち、音楽祭などから絶えず招きを受けている。被爆70年の2015年8月5日、広島交響楽団と共演した。8月7日、中国電力ホールに現れ、明子さんのピアノを試奏した。アルゲリッチは後日、「不思議なことですが、このピアノはショパンが好きなようですね。明子さんもショパンが好きでよく弾いていたのでしょう。ピアノがそれを覚えていたのかもしれません」と語った。広島交響楽団「平和音楽大使」。なお、8月5日の広島交響楽団とのコンサートのライブCDが(ピーター・ゼルキンのCDと同時に)発売された。
Charles Richard-Hamelin
シャルル・リシャール=アムラン
カナダ出身のピアニスト。最初の国際コンクール参加は2014年で、ソウル国際第3位、モントリオール国際第2位 と入賞。2015年のショパン国際コンクールで第2位とソナタ賞を同時受賞し、一躍時の人に。同年にCDデビュー。ワルシャワ・フィル、モントリオール・ フィルなどとも共演。
2017年2月広島交響楽団との「フラグシップコンサート」で来広し、演奏会の前日、明子さんのピアノを弾き、その後平和を語り合うワークショップにも参加。「原爆で亡くなった少女が弾いていたこのピアノを弾くことができ、とても感動しています。ここで私が彼女の悲劇を追悼する一人になることは、心を動かされることであり、名誉なことです。」
Peter Adolf Serkin
ピーター・アドルフ・ゼルキン
ルドルフ・ゼルキンを父に持つ米国出身の名ピアニスト。5世紀におよぶ広範なレパートリーを誇り、オーケストラとの共演、リサイタル、室内楽やレコーディングなどの演奏活動を通して、世界中に音楽作品の真髄を伝えている。
2017年8月「平和の夕べコンサート」のため来広。その際、「明子さんのピアノ」を弾く。その美しい音色をとても気に入り、予定の時間を大幅に超えて奏でた。彼は、明子さんのピアノについて、「驚くべきことにその声質は18・19世紀に作られていた古き良きピアノの音色を偲ばせます。それは歌心に富んだ、ぬくもりのある人間的な声なのです。明子さんのピアノの歌声は私たちを癒し、さらには生きている人々への感謝の念を表現してくれます」と記した(“Music for Peace” CD ライナーノートより)。また、この時の演奏録音がCD化された(利益は全て「明子さんのピアノ」の保管維持のために使われる)。 2020年2月1日没(72歳)
Mami Hagiwara
萩原 麻未
広島出身のピアニスト。第27回パルマドーロ国際コンクールにて史上最年少(13歳)で第1位となり、第65回ジュネーヴ国際コンクール〈ピアノ部門〉では、日本人として初の優勝。年によって1位を出さないこのコンクールで8年ぶりの優勝者となったことから世界的に注目される。
明子さんのピアノとは縁が深く、小学校や屋外でのコンサートに何度も参加し、自身の平和への思いを語るとともに、美しい曲を披露してくれている。また、2018年3月8日、すみだトリフォニーホールにて「明子さんのピアノ」を演奏し、2019年8月6日、広島港停泊中のピースボートにて、被爆ヴァイオリンを弾く成田達輝氏とミニコンサートを開く。
Benjamin Frith
ベンジャミン・フリス
イギリスのダドリーコンクールに14歳で優勝、ブゾーニ国際コンクール2位、ルービンシュタイン国際コンクール1位などの経歴を持つものの、来日の招聘をずっと固辞し、日本ではほとんど知られることのない幻のピアニストとされていた。しかし、明子さんのピアノのことを聞くと「それはピアニストとしての義務だ」と即決し、2018年に来広。坂井原調律事務所にてサロンコンサートが開かれた。スカルラッティをはじめ、フィールド、ショパンを弾き、明子さんのピアノの魅力を引き出した。